第2565回 トンガに勝利、決勝トーナメント進出(3) 先行するもトンガに追い上げられ、2点差の勝利

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、この度の台風15号、19号などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■主力を交代で休ませる米国、トンガとの九州シリーズ

 イングランドがアルゼンチンに勝利したことにより、フランスも決勝トーナメントに大きく前進した。そして何よりもトンガ戦で決勝トーナメント進出を決め、プール1位をかけたイングランド戦に向かいたい。
 第2戦の米国戦と第3戦のトンガ戦は中3日というタイトなスケジュールで行われるが、第1戦のアルゼンチン戦と第2戦の米国戦は中10日、第3戦のトンガ戦と第4戦のイングランド戦は中5日である。こう考えると、クリティカルな相手がアルゼンチンとイングランドであるならば、第2戦と第3戦では主力はどちらかの試合に出場させて休養を取らせる一方で、調子のいい選手を見極めてイングランド戦、さらにはその後の決勝トーナメントでの選手起用の参考としたい。

■選手の負担を意識したトンガ戦の先発メンバー

 トンガ戦のフランスの先発メンバーは第一列は左からジェファーソン・ポワロ、ギエーム・ギラド、ラバ・スリマニ、ロック陣はポール・ガブリヤーグとセバスチャン・バーマイナ、フランカーはベンセラス・ローレ、シャルル・オリボン、ナンバーエイトはグレゴリー・アルドリット、スクラムハーフはバティスト・サラン、スタンドオフはロマン・エンタマック、スリークォーターバックスは左からアリベルティ・ラカ、ソフィアン・ギトゥン、ビリミ・バカタワ、ダミアン・プノー、フルバックはマキシム・メダールである。
 このうち10人が第1戦のアルゼンチン戦に先発したメンバーであり、第2戦の米国戦に続いての先発はシャ、ギトゥン、ラカの3人であるが、このうちギトゥンとラカは第1戦はメンバー外であり、九州シリーズ要員である。また第1戦と第2戦に続けて先発したアルツール・イトゥリア、ヨアン・ウジェ、ガエル・フィクーの3人はメンバー外であり、メンバーを試合ごとに大幅に入れ替え、各選手の負担を意識している。

■フィジー出身のアリベルティ・ラカとビリミ・バカタワのトライで大量リード

 さて、熊本では初の試合となり、最も遅くワールドカップの開幕を迎えるが、県民総合運動公園競技場はフランス一色に塗りつぶされた。ラ・マルセイエーズの余韻も残っている3分にエンタマックが先制のPGを決める。6分には中央付近の相手ボールのラインアウトがこぼれたところをシャが奪い、バックスラインにパス、エンタマック、ギトゥン、ラカとつなぎ、ラカがロングゲイン、最後はオフロードでバカタワに戻してフィジーのコンビで中央にトライ、エンタマックのゴールも決まり、10-0と早くも二桁得点差をつける。これまで2試合同様、見事な先制攻撃であるが、フランスはこの試合では反則は少なく、リズムを取り戻したトンガの攻撃を止める。31分にはスクラムでのトンガの反則で得たフリーキック、サランがクイックスタートし、左サイドのラカにパス、ラカはゴール前にキックを上げて自らがキャッチし、そのままトライ、ゴールも成功して17-0と大量リードとなる。

■後半は防戦一方、2点差で逃げ切り、決勝トーナメント進出

 しかし、前半終了間際にトンガはフランスゴール前で波状攻撃、11フェーズを重ねてTMOの末、ゴール真下にトライ、ゴールが決まったところでハーフタイムとなる。ここから試合流れが変わる。46分にはフランスが攻め込んでいたが、ターンオーバーされ、そこから一気に前進され、キック処理をメダールが誤ったこともあり、最後はバイヨンヌ所属のマリエトア・ヒンガノにトライを奪われる。ゴールも決まり3点差に迫られる。すかk理試合はトンガペースとなったが、フランスはエンタマックが2本のペナルティゴールを決めて9点差をつけて逃げ切りを図る。
 そして終了間際にトンガは怒涛の攻めを見せる。フランスのゴール前に迫り、連続攻撃。中央からスクラムハーフのレオン・フコフカが左コーナー付近にキックを上げる。フランスの右ウイングのプノーもジャンプしたが届かず、トンガのフランカーのザネ・カペリがキャッチしてトライ、ゴールも決まって23-21と2点差に迫る。
 トライ数でトンガを下回ったフランスであるが、最後のキックオフのボールをキープして、逃げ切り、決勝トーナメント進出を決めたのである。(続く)

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