第2798回 接戦の続く6か国対抗(3) ウェールズ、イングランドに勝って3連勝

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■健闘するスコットランドとフランス、勝ちを逃したイングランドとアイルランド

 接戦の続く今年の6か国対抗、第2節を終えた段階で2勝しているのがフランスとウェールズ、1勝1敗がイングランドとスコットランド、2敗しているのがアイルランドとイタリアである。しかし、イタリアがらみ以外の4試合はいずれも5点差以内という僅差の試合となっており、2試合終えただけの順位ではまだ評価は拙速であろう。
 しかし、勝敗のみについて注目すべきはこのところ不振だったスコットランドとフランスの健闘、そして好成績を残してきたイングランドとアイルランドが星を落としていることであろう。

■延期となった第3節のフランス-スコットランド戦

 第3節は第2節から2週間後の2月27日と28日に予定され、27日にはイタリア-アイルランド戦、ウェールズ-イングランド戦、28日にフランス-スコットランド戦が予定されていた。
 連敗で初勝利をかけた試合で始まり、連勝スタートのチームが1勝1敗のチームを迎え、この第3節で優勝争いの候補が絞られるであろう、と思われたところ、新型コロナウイルスの感染拡大が影響した。フランス代表チームはダブリンでアイルランドを破った後に、感染のクラスターが発生、ファビアン・ガルチエ監督やシャルル・オリボン主将を含む15人が感染した。28日のホームゲーム開催が危ぶまれたが、主催者側はその後新規感染者が発生していないことから試合の4日前には開催と発表した。しかし、その翌日の25日には試合の延期を発表するにいたった。
 新型コロナウイルスの感染を阻止するという点では賢明な判断であるが、この試合の延期についてはフランス代表に選手を送り込んでいる各クラブからの圧力があったのではないかという噂が流れた。相変わらず、クラブと代表の関係がスムーズではないフランスラグビー界である。結局、このフランス-スコットランド戦は最終節の翌週の3月26日に行われることになったが、その時の両チームの星勘定がどうなっているかが注目である。

■経験値のある選手のそろったウェールズとイングランド

 2試合のみが行われた第3節はいずれもスコアに差が付き、アイルランドはイタリアを48-10で下して初勝利をあげ、ウェールズはイングランドを40-24で破った。アイルランドがイタリアを下したのは予想通りとしても、ウェールズ-イングランド戦は意外な結果となった。2019年ワールドカップからメンバーが最も変わっていないのがこの2チームであろう。過去5年間の6か国対抗での優勝回数はイングランド3回、ウェールズ1回、昨年のカーディフでの対戦も33-30でイングランドが接戦を制し、脂の乗り切ったチーム同士の対戦である。

■終盤に突き放したウェールズ、ボーナスポイントを獲得して勝利

 試合はウェールズがスコアすると、イングランドも得点を返す、という展開となった。イングランドは規律に問題があり、反則が目立つ。それでもイングランドは、前半のロスタイムにオーウェン・ファレルがペナルティゴールをあげて、ウェールズを14-17と3点差に追い上げて折り返した。
 後半開始早々にイングランドはペナルティゴールで同点のチャンスを得るが、ファレルが失敗、名手この日2回目のキックの失敗である。一方のウェールズはその直後にイングランドのノックオンのボールを拾ってハーディーがトライ、ゴールも決まって24-14とし、この試合で初めて点差が二桁となる。
 しかし、ここからイングランドが追い上げ、53分にファレルのペナルティゴール、62分にベン・ヤングスのトライ、ゴールも決まり、24-24のタイスコアとなる。
 ところが終盤にウェールズが突き放す。66分、70分、75分とペナルティゴールを決めて、リードを広げる。試合終了直前の80分にはコリー・ヒルがトライを決め、ゴールも決まって最終スコアは40-24と16点差となる。3連勝となったウェールズはトライを4本奪い、ボーナスポイントを獲得する。今年の6か国対抗では、イタリア戦以外で初めてのトライ数でのボーナスポイントをマークしたのである。(続く)

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