第2801回 接戦の続く6か国対抗(6) 大一番となるフランス-ウェールズ戦
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■得失点差でイングランドを大きく上回るフランス
昨年の6か国対抗で勝利し、控えメンバーで臨んだオータムネーションズカップの決勝で延長戦の末に惜敗したイングランドと第4節で対戦したフランス、終盤に逆転されて30-33と惜敗し、グランドスラムの夢が破れた。
第4節の他の試合であるが、イングランド-フランス戦の前に行われたイタリア-ウェールズ戦はウェールズが48-7と大勝したことはすでに紹介した。フランスがイングランドに敗れた時点での暫定の順位は、首位はウェールズ(4勝、勝ち点19)、2位はフランス(2勝1敗、10、得失点差+39)、3位はイングランド(2勝2敗、10、得失点差+5)、4位がアイルランド(1勝2敗、7)、5位がスコットランド(1勝1敗、5)、6位がイタリア(4敗、0)となっている。
■第4節で2位に浮上したアイルランド
日曜日の3月14日にスコットランド-アイルランド戦が行われる。両チームとも2位に浮上することが可能であり、この試合も大接戦となった。前半は双方トライは1本ずつでアイルランドが14-10とリードして折り返す。後半に入ってアイルランドがトライ、ペナルティゴールをあげて、一時は14点差としたが、残り20分になってからスコットランドが得点を重ねる。60分にヒュー・ジョーンズ、74分にハミッシュ・ワトソンがトライをあげ、いずれもスチュワート・ホッグがコンバートを決めてついに24-24のタイスコアとなる。しかし、試合を決めたのはアイルランドのジョナサン・セクストン、77分にペナルティゴールを決めて27-24と勝利を呼び込んだ。アイルランドは勝ち点4を加えて2位に浮上した。
■優勝する可能性のあるウェールズとフランス
しかし、アイルランドと首位のウェールズとの勝ち点差は8であり、優勝は不可能である。優勝する可能性が残されているのはウェールズとフランスだけである。
第5節では優勝する可能性のあるウェールズとフランスの大一番が組まれている。ここまで4連勝のウェールズにとってはこの試合で勝利すれば、13回目のグランドスラムを達成することとなる。
一方のフランスはグランドスラムこそ逃したものの、昨年惜しいところで逃した優勝にチャレンジするチャンスである。フランスは11年ぶりの優勝を目指す。フランス-スコットランド戦が延期になっていなければ、最終節での直接対決であったが、1試合消化試合が少なく、勝ち点9差で追うフランスはウェールズに勝利するだけではなく、4トライ以上あげてボーナスポイントを獲得して、3月26日に延期されたスコットランド戦で逆転優勝を果たしたい。
■イングランド戦と同じ先発メンバーを選んだファビアン・ガルチエ監督
フランスにとっては終盤になり、よいニュースがある。それはスタンドオフのロマン・エンタマックが戦列に復帰したことである。イングランド戦にもベンチ入りしていたが、出場機会はなく、ウェールズとの試合で出場が期待された。
しかし、ファビアン・ガルチエ監督は先発メンバーはイングランド戦と同じ15人を選ぶ。フォワード第一列はシリーユ・バイユ、ジュリアン・マルシャン、モハメド・アウア、第二列はロマン・タオフィフェヌアとポール・ウィレムス、フランカーはディラン・クレタンとシャルル・オリボン、ナンバーエイトはグレゴリー・アルドリット、スクラムハーフはアントワン・デュポン、スタンドオフはマチュー・ジャリベール、スリークォータバックは左からダミアン・プノー、ガエル・フィクー、ビリミ・バカタワ、テディ・トマ、フルバックはブリス・デュランというメンバーである。結局ベンチのメンバーを3人入れ替えただけであった。イングランド戦では8人のベンチの選手のうち、5人しか交代出場させず、スクラムハーフのジャン・バティスト・サランとスタンドオフのエンタマックはピッチに立つ機会はなかった。
一方のウェールズは第4節でイタリアに大勝したメンバーとは先発を1人入れ替えただけにとどまった。すなわち、一弱のイタリア戦もベストメンバーで対戦しているということであり、グランドスラムを目指すのである。(続く)