第3141回 ハンドボール世界選手権 (2) 順調に5連勝、二次リーグでスペインと全勝対決

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■サウジアラビアに勝利、二次リーグ進出決定

 フランスの男子ハンドボールチームがオリンピックチャンピオンとして臨んだ今回の世界選手権、開幕戦は開催国のポーランドに接戦で勝利し、3大会ぶりの優勝への第一歩を記録した。第2戦はサウジアラビア、進境著しい中東勢であったが、フランスはベテランの主将のニコラ・カラバティックをわずか10分しか出場させないなど、長丁場の大会を考えた選手起用をしたが、」終始大量リードを守り、41-23と勝利をあげる。グループBのもう1試合は第4シードのスロベニアがポーランドを32-23と破り、フランスとともに連勝した。この時点で早くもフランスは二次リーグ進出を決定した。

■一次リーグの成績が持ち越される二次リーグ

 グループリーグ最終戦はスロベニアと2勝同士の対戦となる。スロベニアは昨年の今頃行われた欧州選手権では16位、本来であれば世界選手権への出場権を獲得することはできなかったが、6月に決定したワイルドカードでオランダとともに出場権が与えられている。ワイルドカードでの世界選手権出場にかけた日本の皆様は残念な思いをされたであろう。ワイルドカードでの出場ということで、前評判は低かったが、フランスとともに二次リーグ進出を決めた。サッカーのワールドカップなどであれば、次のラウンドへの進出を決めたチーム同士の最終戦ともなれば、メンバーを落とすなど、様子見となる可能性があるが、この大会は異なる。それは前回の本連載で少し述べた二次リーグの二は一次リーグの結果も持ち越されるという点である。
 二次リーグは8つある一次リーグの2グループから3チームずつが進出する。フランスの所属するグループBの上位3チームとグループAの上位3チームでグループIが形成される。二次リーグは6チームのグループとなるが、各チームは5試合をするわけではない。同じ一次リーグで対戦したチームとの対戦成績はそのまま二次リーグでも持ち越され、一次リーグで対戦したなかったチーム(フランスの場合であれば、グループAから勝ち上がってきた3チーム)とのみ試合を行う。
 したがって、フランスはスロベニア戦で敗れた場合、二次リーグの成績で1敗が記録されてしまう。逆にスロベニアに勝利すれば、二次リーグでは戦う前から1勝が記録される。二次リーグは6チーム中上位2チームしか次のステージである決勝トーナメントに進めない。

■スロベニアに勝利し、一次リーグを首位通過

 そういう意味で両チームとも負けられない試合となり、接戦となった。前半を終えてフランスは16-14と2点リードで折り返し、後半もフランスがやや優位に試合を進め、最終スコアは35-31でフランスが勝利した。この試合、フランスはカンタン・マエとヌダン・レミリの2人が7得点ずつあげる活躍、大会に入ってから伸びてきた選手である。
 もう1試合のポーランド-サウジアラビア戦は開催国のポーランドが勝利し、二次リーグへ進出した。

■二次リーグでもモンテネグロ、イランに連勝、スペインと全勝対決

 この結果、フランスは首位で二次リーグに進出、二次リーグのグループIではグループAのスペイン、モンテネグロ、イランと対戦するが、このほかに、グループBのスロベニアとポーランドへの2勝のアドバンテージがある。
 上位2チームに入る必要がある二次リーグの最大のライバルはグループAを首位突破したスペインである。フランスとスペインの試合は最後に組まれたが、それまでにフランスは取りこぼすことはできない。
 二次リーグの初戦ではフランスはグループAを2位通過したモンテネグロと対戦、前半は接戦であったが、後半に一気に突き放し、35-24と勝利する。この試合は一次リーグでは目立った成績を残していなかったメルバン・リシャーソンが10得点をあげる。1997年に日本で行われた世界選手権の日本戦で値千金の同点ゴールを決めたジャクソン・リシャーソンの息子である。
 フランスは続くイラン戦も41-29と勝利し、フランス同様連勝したスペインとの最終戦を迎えたのである。(続く)

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