第3458回 秋の陣に臨むラグビーフランス代表(4) 日本戦に臨む23人のメンバー

 平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■昨秋のラグビーワールドカップ以来となるスタッド・ド・フランス

 ラグビーワールドカップから1年、成績だけ見れば2位に入った6か国対抗、スキャンダルの相次いだアルゼンチン遠征、パリオリンピックでの7人制ラグビーでの優勝、南アフリカでのU-18代表選手の海難事故と相次ぐ事件に見舞われ、10月にはラグビー連盟の会長選挙があり、フローリアン・グリル会長が再選した。
 そして始まるオータムネーションズシリーズ、フランスは11月9日に日本、16日にニュージーランド、22日にアルゼンチンといずれもスタッド・ド・フランスで対戦する。パリオリンピックの準備のため、今年の6か国対抗のホームゲームでは使用できなかったため、フランス代表がスタッド・ド・フランスで試合をするのは昨秋のラグビーワールドカップ以来のこととなる。

■アントワン・デュポンが復帰、昨年のワールドラグビーU20チャンピオンシップから新人

 この3連戦に向けて、フランスラグビー連盟は10月23日にFW23人、BK19人、合計42人の選手を発表した。この中で最大の注目選手は7人制ラグビーに専念するため15人制の代表チームから離れていたアントワン・デュポンが復帰したことであろう。オリンピックで金メダルを獲得したフランス代表であるが、15人制の代表を辞して7人制に賭けたのはデュポンだけであり、デュポン以外の金メダリストはジャン・パスカル・バラックが1試合だけ15人制の代表として試合に出場した経験があるだけで、ほとんどの選手は15人制でトップレベルの経験はない。金メダリストから15人制の代表に選出される選手もいなかった。
 リストの中の新人は昨年のワールドラグビーU20チャンピオンシップで最優秀選手に選ばれたFW第三列でマルコ・ガゾッティ、133キロの巨漢プロップで、トンガ生まれでこのたびフランス代表資格を得たテビタ・タタフ(サモア出身でボルドー・べグルに所属する日本代表のナンバーエイトとは同姓同名)、第三列のピエール・ボシャトン、トゥールーズに所属し、ロックとフランカーを務めるアイルランド生まれのジョシュア・ブレナンがいた。
 また、南米遠征で不祥事を起こしたウーゴ・オラドゥとオスカル・ジェグ、人種差別的発言をしたメルバン・ジャミネは選出されなかった。さらに、この時期はフランスリーグが実施されており、各クラブ、リーグとの合意なしにはこれらの選手を代表選手として活動させるわけにはいかない。メンバー発表して1週間経過した30日の時点で19人の選手が、各クラブでのリーグ戦に出場可能となるようリリースされた。日本戦の1週間前の11月2日に42人のメンバーが改めて発表された。

■先発メンバーで代表デビューを飾ったテビタ・タタフ

 結局、日本戦に臨む23人のメンバーであるが、先発メンバーはFW第一列はジュリアン・グロ、ペアト・モーバカ、タタフ、ロック陣はエマニュエル・メアフーとチボー・フラマン、フランカーはフランソワ・クロとアレクサンドル・ルーマ、ナンバーエイトはグレゴリー・アルドリットである。ハーフ団はデュポンとトマ・ラモス、スリークォータバックスは左からルイ・ビール・ビアレイ、ヨラム・モエファナ、エミリアン・ガイユトン、テオ・アティソグベ、フルバックはレオ・バレとなる。
 また、リザーブはFWはジュリアン・マルシャン、レダ・ワルディ、ジョルジュ・アンリ・コロンブ、ミカエル・ガヤール、ポール・ブーダン、BKはマキシム・ルクー、マチュー・ジャリベール、ガエル・フィクーである。

■ダミアン・プノーに代わって急遽先発メンバー入りした19歳のテオ・アティソグベ

 この中で代表出場歴がないのがタタフだけであるが、左ウイングは絶対的存在のダミアン・プノーが試合直前に体調を崩したため、アティソグべが起用された。アティソグベは2004年11月19日生まれで、日本戦、ニュージーランド戦の時点ではまだ19歳、昨年のワールドラグビーU20チャンピオンシップでも活躍し、昨年プロ契約をしたばかり、今夏の南米遠征でアルゼンチンとの第1テストで代表にデビューし、トライを決めている。 また、ルーマは今年の6か国対抗で代表デビュー、4試合に出場したがいずれも途中出場で、この試合が初めての先発となるのである。(続く)

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