第957回 リトアニアに連勝(7) フランク・リベリーのゴールでフランス2位浮上
■大観衆が集まったホームのリトアニア戦
南アフリカ行きの分水嶺となったリトアニアとの連戦、カウナスでの最少得点での勝利を受けて、4月1日にスタッド・ド・フランスで行われる第2戦はファンの関心も高く、スタッド・ド・フランスでの試合としては久しぶりに前売り完売、79,543人の観衆が集まった。
注目の先発メンバーであるが、土曜日の試合はスコアこそ最少得点差であったが、内容は圧倒しており、メンバーを変える必要はない。ただし、レイモン・ドメネク監督が悩むべき問題が1つだけ存在した。それはカウナスでの試合で警告を受け、累積警告によって出場停止となった守備的MFのジェレミー・トゥーラランの代役を誰にするかである。ホームでの試合も守勢に回るシーンはあまり想定できないと判断して、本来は攻撃的MFのサミール・ナスリを起用するという案もあったが、風邪気味のためベンチにも入らず、結局は本職のアルー・ディアラを起用することに落ち着いた。それ以外のメンバー、フォーメーションは4日前と同じである。
■先発メンバーから消えたリヨン勢
念のため紹介するとGKがスティーブ・マンダンダ、DFは中央にウィリアム・ギャラスとセバスチャン・スキラッチ、右にバカリ・サーニャ、左にパトリス・エブラ、守備的MFにアルー・ディアラとラッサナ・ディアラ、攻撃的MFは中央にヨアン・グルクフ、右にペギー・リュインデュラ、左はフランク・リベリー、そして1トップはアンリである。
カウナスでの試合を無難に無得点に切り抜けたギャラスとスキラッチが連続してコンビを組み、カウナスで4年半ぶりに代表に復帰し、初先発を飾ったリュインデュラも2試合連続して先発メンバーに名を連ねる。またアルー・ディアラとラッサナ・ディアラが同じ試合に出場するのはこれで3回目であるが、先発でコンビを組むのは昨年5月27日のエクアドル戦以来のことである。
また、先発メンバーからリヨンの選手が姿を消すことになった。これは一昨年9月のスコットランド戦以来のことである。昨年5月のパラグアイ戦では、リヨンの選手が6人先発していたことを思えば、大きな変化であろう。
両チームのユニフォームはカウナスでの試合と同じであり、フランスが青、リトアニアが黄色である。このフランスのユニフォームであるが、背番号は入っていても選手の名前は入っていない。これはFIFAがワールドカップ予選の際には18人のベンチ入りの選手の背番号を1番から18番までに限定するようにしたからである。ベンチ入りの選手が決まるのは試合の数時間前であり、短時間の間にベンチ入りの選手の背番号を入れることが物理的に難しくなったからである。
■圧倒しながら無得点の前半
試合はカウナスでの戦いに増して、フランスの一方的な展開となった。フランスがボールを一方的に支配し、リトアニアは防戦一方となる。フランスは次々にチャンスをつかむが、なかなか得点にはつながらない。ハーフタイムを迎え、更衣室に引き上げるフランスイレブンをブーイングが浴びせられる。
選手交代は後半開始時点ではなかったが、57分に攻撃の中心のグルクフをベンチに下げ、リヨンのカリム・ベンゼマを投入する。この選手交代でリズムが少し変わり、直後にCKのチャンスを得る。そしてドメネク監督は69分にはリュインデュラに代えてアンドレ・ピエール・ギニャックをピッチに送り出す。ギニャックは代表にデビューを果たす名門トゥールーズからダニエル・モレイラ以来の5年ぶりの代表選手となったのである。
■ギニャック、デビュー戦を飾るアシスト、リベリーが決勝点
そのギニャックがデビューを見事に飾る。75分にギニャックはリベリーの得点をアシストし、この日唯一のゴールシーンに絡む。この1点を余裕を持ってフランスは守りきり、リトアニアに連勝する。このところ失点の続くフランスは2試合連続の完封勝ちを収めた。
これでフランスは3勝1分1敗で勝ち点10となり、勝ち点9のリトアニアを抜いて2位に浮上する。首位セルビアとの勝ち点の差はわずか2となり、折り返し点を迎えたのである。(この項、終わり)