第1000回 最後の山場、9月の連戦(1) 連戦に臨む23人のフランス代表
おかげさまで第1000回の連載を迎えることになりました。連載開始以来8年で1000回もの連載を続けてくることができたのは読者の皆様のおかげです。読者の皆様に改めて感謝するとともに、引き続きのご愛読をよろしくお願いいたします。
■連載開始直後のチリとの親善試合
本連載が始まったのは今から8年前の9月である。ワールドカップ、欧州選手権、オリンピックは4年ごとで開催されることからサッカーのカレンダーは4年周期である。したがって、本連載が始まった8年前の9月と現在はサッカーカレンダー的には同じ季節であるが、フランス代表をめぐる状況は大きく変わっている。
本連載の最初のテーマはフランスとチリの親善試合であった。翌年にワールドカップを控えていたが、フランスは1998年のワールドカップで優勝していることから、2002年のワールドカップは予選免除となり、9月のインターナショナルマッチデーに南米のチリとの親善試合を組んだのである。
■最後の山場となるルーマニア、セルビアとの連戦
ところが現在のフランス代表は3年前のワールドカップでは準優勝したものの、昨年の欧州選手権ではグループリーグで敗退、そして昨秋から始まったワールドカップ予選でも苦戦を続けている。消化試合数が少ないものの、首位セルビアに大きく離されている。そして、直近の試合は本連載第995回から997回で紹介した8月12日のフェロー諸島とのワールドカップ予選、それまで4戦4勝、総得点16、失点0と言う相手に1-0とかつてない苦しい戦いの末勝ち点3をようやく獲得している。
苦しい戦いの続くワールドカップ予選も残り4試合、9月と10月それぞれ中3日で2試合ずつ行う。9月は5日にホームでルーマニア戦、9日にアウエーでセルビア戦、10月に日程は10日にフェロー諸島、14日にオーストリアといずれもホームで戦う。残り試合の対戦相手から判断するならば、9月の連戦が最後の山場である。
■連戦に向けて23人のメンバーが発表
8月27日に、この連戦に向けてフェロー諸島戦より1人多い23人のメンバーが発表された。
GKはスティーブ・マンダンダ、ウーゴ・ロリス、セドリック・カラッソの3人、DFはウィリアム・ギャラス、エリック・アビダル、ジュリアン・エスクーデ、パトリス・エブラ、ロッド・ファンニ、バカリ・サーニャ、セバスチャン・スキラッチ、ガエル・クリシーの8人である。守備的MFはアルー・ディアラ、ラッサナ・ディアラ、ジェレミー・トゥーララン、アブー・ディアビの4人、攻撃的MFはヨアン・グルクフ、フローラン・マルーダ、フランク・リベリーの3人、FWはニコラ・アネルカ、カリム・ベンゼマ、アンドレ・ピエール・ギニャック、ティエリー・アンリ、ロイック・レミの5人である。
■リーグ戦で好調な選手を選んだレイモン・ドメネク監督
フェロー諸島戦のメンバーと比較すると、クリシーとディアビというアーセナル(イングランド)の選手が加わり、ムッサ・シソッコが抜けた。また、アンリはフェロー諸島戦ではメンバー選出後に負傷で離脱しており、実質的には復帰である。フェロー諸島戦での課題となったキャリアのある選手の不在については、アンリは復帰したが、パトリック・ビエイラは今回も声がかからなかった。インテル・ミラノ(イタリア)に所属するビエイラは23日のリーグ開幕戦のバーリ戦に先発したが、前半で退いている。
一方、アーセナルのクリシーとディアビは22日のポーツマス戦で活躍し、ディアビは2ゴールをあげ、2年半ぶりの代表復帰となった。また、アーセナルはメンバー発表の前夜にはチャンピオンズリーグのプレーオフでセルチック・グラスゴーに勝利している。このように直前の試合での好不調でレイモン・ドメネク監督は選手を選考しているようである。
さて、冒頭で紹介した8年前のチリ戦とメンバーを比較すると、チリ戦に出場していたのはアンリのみとなった。そして復帰がかなわなかったビエイラも出場していた。チリ戦は親善試合でありながら、先発した11人のうち9人が代表30試合出場というキャリアの多いメンバー中心だった、しかし、今回の23人のメンバーで代表出場歴が30試合以上あるのは6人しかいないのである。(続く)