第1001回 最後の山場、9月の連戦(2) 首位を狙うフランス、プレーオフを目指すルーマニア

■消化試合数の異なるグループ7

 フランスが所属するグループ7、残り試合も少なくなってきたことから現段階での各チームの消化試合数と順位を確認しよう。8月12日のフェロー諸島-フランス戦が終了した時点で各チームの試合消化数は7または6である。7試合消化(残り3試合)しているのがセルビアとリトアニアの2チーム、6試合消化(残り4試合)しているのがフランス、オーストリア、ルーマニア、フェロー諸島の4チームである。
 そして順位は1位セルビア(勝ち点18)、2位フランス(13)、3位リトアニア(9)、4位オーストリア(7、得失点差-2)、5位ルーマニア(7、得失点差-3)、6位フェロー諸島(1)となっている。9月5日にはフランス-ルーマニア戦とオーストリア-フェロー諸島戦が行われ、この段階ですべてのチームが7試合消化することになる。また、9月9日以降の日程はグループ7の全6チームが試合を同日に行い、6チームの試合数の足並みがそろうようになる。
 これまでは試合消化の日程が各チームによってばらつきがあったが、最後の3試合となる段階でようやく足並みがそろう。その最後の3試合を迎えるためにもこのルーマニア戦で勝利を手に入れて、首位セルビアを射程距離にとらえたいところである。

■本連載が初めて取り上げた欧州のチームとの対戦

 今予選では5位に低迷しているルーマニアであるが、元々は自力のあるチームである。これまでのフランスとルーマニアとの対戦成績は、フランスが7勝2分4敗と勝ち越しているが、直近の対戦成績を見てみると、昨年10月11日にアウエーで行ったワールドカップ予選は2-2の引き分け、そして昨年6月9日には欧州選手権で対戦し、チューリッヒでの試合はスコアレスドローであり、2試合連続で引き分けている。フランス国内での最後の試合は2002年2月13日にサンドニで行った親善試合であり、フランスが2-1と勝利している。この親善試合の模様は本連載を開始して半年経とうとするころの第32回と第33回で紹介している。実はこのルーマニア戦は、フランス代表と欧州のチームとの試合を本連載で初めて取り上げたことになる。

■終盤まで苦しんだ1996年欧州選手権予選

 その前の対戦は1996年欧州選手権の予選と本戦での対戦である。1996年の欧州選手権予選でフランスは負けはしなかったが、思うように勝ち星をあげることができず、大苦戦する。ルーマニアとの対戦もまず序盤戦で対戦した1995年10月8日のホームの試合では引き分け、イングランド行きが厳しくなった予選終盤での翌年10月11日のアウエーでの試合を3-1とフランスは勝利して本大会出場を結果的につかんだ。そして本大会でも同じグループとなり、ニューカッスルで行われた試合ではフランスは1-0と勝利している。
 フランスはワールドカップや欧州選手権の予選で終盤まで苦しむのはこの1996年の欧州選手権以来14年ぶりのことである。14年前同様に終盤のルーマニア戦で本大会出場へ近づきたいところである。

■目標の高さの違うフランスとルーマニア

 フランスは、ホームのルーマニア戦で勝利すれば、勝ち点を16に伸ばし、5日には試合のないセルビアに勝ち点2差に迫り、アウエーでの直接対決に臨むことができる。9日のセルビアでの試合に勝利すれば、首位の座を奪還する。フランスは9月の連戦を終えると10月にフェロー諸島とオーストリアを迎えてホームゲームを行う。フランスにとってこの連戦で連勝すれば、首位としてプレーオフを経ない本大会出場に近づく。
 一方のルーマニアは5位と出遅れており、目標はプレーオフ出場である。ルーマニアはフランス戦で勝利すれば、2位フランスと勝ち点3差に迫る。ルーマニアは9日にホームでオーストリア戦、10月には10日にアウエーのセルビア戦、と厳しい試合が続くが最終戦はホームでフェロー諸島戦である。
 このように首位を狙うホームのフランス、プレーオフ出場に滑り込もうとするアウエーのルーマニア、それぞれの目標の高さは違うが、9月5日の試合は重要な戦いとなったのである。(続く)

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