第1598回 ワールドカップ予選でグルジア、ベラルーシと対戦(2) 連勝して暫定首位を狙うフランス

 一昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■9月の試合数が異なるフランスとスペイン

 2010年のワールドカップ以来、3年ぶりにアンドレ・ピエール・ジニャックを復帰させて臨むワールドカップ予選でグルジア戦とベラルーシ戦、本大会の出場権の得られる1位突破のために連勝したいところである。ライバルのスペインは9月にはワールドカップ予選は6日にフィンランドと戦うだけであり、10月に2試合を戦う。逆にフランスは9月に2試合戦うが、10月には1試合しか行わない。すなわち、10月を迎える段階ではフランスの方が、試合消化数がスペインよりも1試合多く、フランスは連勝すれば、スペインを勝ち点で上回ることができる。そのためにも得点が欲しいところであるが、ここまで4試合連続で無得点である。

■リーグ戦で得点をあげているオリビエ・ジルーとカリム・ベンゼマ

 ジニャックは以前代表入りしていた2009年から2010年にかけてフランス代表で4ゴールをあげるという代表での実績だけではなく、現在のリーグ戦でゴールを量産していることから代表復帰となっている。ジニャックは所属するマルセイユでフランスリーグで3得点をあげているが、それ以外のメンバーというと、イングランドのアーセナルに所属するオリビエ・ジルーがリーグ戦2試合で2得点、チャンピオンズリーグのプレーオフで1得点、スペインのレアル・マドリッドのカリム・ベンゼマがリーグ戦2試合で2得点である。欧州の主要リーグでこのように得点をあげているメンバーをそろえたフランスは無得点記録にピリオドを打ちたいところである。

■サミール・ナスリ初ゴールの地、トビリシ

 また、2012年の欧州選手権の際にジャーナリストに暴言を吐き、代表から離れていたサミール・ナスリはベルギー戦で代表チームに復帰し、後半に途中交代出場した。ナスリは今回の連戦でもメンバーに入っている。ナスリが代表に入ったのは2007年3月のことであったが、初ゴールは同年6月のグルジアとのアウエーの試合であり、代表初ゴールをあげた競技場で汚名を返上したいところである。
 フランス代表のメンバーは欧州各地でリーグ戦を週末に戦い、9月2日にクレールフォンテーヌに集合する。エチエンヌ・カプーがリーグ戦で負傷したため、マキシム・ゴナロンが代わりに招集される。クレールフォンテーヌで合宿を行い、グルジア戦の前々日の4日に移動し、夕方にトビリシに到着した。

■過去3戦3勝と相性のいいグルジア戦

 グルジアとはこれまでフランスは3回戦い、2008年の欧州選手権予選で同じグループとなり、この時はアウエーで3-0、ホームで1-0と連勝し、今回のワールドアップ予選のホームゲームは今年3月22日に行われ、フランスが3-1と勝利し、3回とも勝利している。ソ連が崩壊して20年強経つが、フランスはソ連崩壊後に対戦した旧ソ連諸国との相性はよく、これまで28戦して20勝5分3敗と好成績を残している。ちなみに3敗の内訳であるが、ロシアに2敗、ベラルーシに1敗である。
 グルジアはこの段階で2位フランスとの勝ち点差は6、残り3試合であり、逆転の可能性は残されているが、ワールドカップ予選では昨年9月にベラルーシに勝利したものの、その後は勝利から見放されている。またホームゲームでは、そのベラルーシ戦以来勝利しておらず、調子がいいとは言えない相手である。  グループIのライバルであるスペインはグルジア戦と同じ6日にヘルシンキでフィンランドと対戦する。したがってフランスとしては確実に勝利して勝ち点3を加えたい。フィンランドもグルジアを同じ勝ち点6であり、フランスとの勝ち点差は4、スペイン相手に引き分け以上に持ち込みたいところであるが、スペインが優位である点は疑いの余地のないところである。したがってフランスはグルジアに勝利し、10日にベラルーシに勝利してスペインを逆転し、暫定首位となって10月の声を聞きたいところであるが、シナリオは狂ったのである。(続く)

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