第1619回 プレーオフ組み合わせ決定(2) フランスはウクライナと対戦
一昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■2位チームの中でプレーオフに届かなかったデンマーク
前回の本連載で9つに分かれた予選グループが終了し、本大会出場となる首位とプレーオフに回る2位の順位が確定したことを紹介した。プレーオフには9か国中8チームしか出場することができない。この順位は予選グループで最下位となったチーム以外対戦した8試合の成績で決める。なお、フランスの所属するグループIは5チームからなり、予選のシード順を決定する際に第6シードの国が入っていないため、全8試合が対象となる。この8試合の戦績を比較すると、ギリシャ(グループG、勝ち点19)、フランス(グループI、17)、ポルトガル(グループF、15)、ウクライナ(グループH、15)、スウェーデン(グループC、14)、アイスランド(グループE、14)、ルーマニア(グループD、13)、クロアチア(グループA、11)、デンマーク(グループB、10)となり、最下位のデンマークはプレーオフに進出できなかった。
また、これら2位チームの最下位チームとの対戦成績はほとんどが2連勝であり、唯一の例外がグループEでキプロスと1勝1敗だったアイスランドである。このグループEは大番狂わせのグループであり、本大会の出場権を獲得したスイスはグループ分けの時点では第3シード場、2位になったアイスランドは最下位である第6シードであった。
■9月から10月にかけて変動するFIFAランキング
予選での戦績はギリシャに次ぐ成績を残したフランスであるが、プレーオフのシード分けはFIFAランキングで行われ、上位4チームと下位4チームに分けられる。予選グループ終了時でのFIFAランキングは9月の国際試合が終わった後の9月12日に発表されたものであり、それによるとクロアチア(10位)、ポルトガル(11位)、ギリシャ(12位)、スウェーデン(22位)が上位になり、下位にはフランス(25位)、ウクライナ(26位)、ルーマニア(31位)、アイスランド(54位)となる。しかし、プレーオフの組み合わせシード順は予選グループ終了時、すなわち10月の国際試合が終了した時点でのランキングで決定する。
9月時点では下位シードであったフランスであるが、10月の2試合は豪州とフィンランドに連勝しており、順位を上げることが期待される。一方、スウェーデンは10月を迎える時点で2位が確定的であり、10月に入ってからは11日にオーストリアには勝利したものの、15日にドイツに逆転負けしている。フランスがスウェーデンをかわし、上位シード入りするかと期待する向きもあった。しかし、ここで現れたのがウクライナである。ウクライナは10月はポーランドとサンマリノに連勝しており、過去の戦績も関係していることからポイントを伸ばす。
■下位シードにとどまったフランス
結局、10月17日に発表されたランキングはポルトガル(14位)、ギリシャ(15位)、クロアチア(18位)、ウクライナ(20位)、フランス(21位)、スウェーデン(25位)、ルーマニア(29位)、アイスランド(46位)となり、スウェーデンを抜いたもののウクライナに抜かれたフランスは10月17日現在のランキングでも下位シードにとどまったのである。
■対戦相手は上位シードに滑り込んだウクライナ
したがって、プレーオフのフランスの相手はポルトガル、ギリシャ、クロアチア、ウクライナのいずれかとなる。この4か国との過去の対戦成績を振り返れば、ポルトガルとは16勝1分5敗、ギリシャとは6勝1分1敗、クロアチアとは3勝2分、ウクライナとは4勝3分であり、いずれの国に対してもフランスは相性がいい。
そして抽選の結果、プレーオフの組み合わせが決まった。ポルトガル-スウェーデン、ギリシャ-ルーマニア、アイスランド-クロアチア、そしてウクライナ-フランスとなり、フランスは11月15日にウクライナで、19日にフランスでプレーオフを戦うことになったのである。(続く)