第1651回 2014年ワールドカップ展望(8) 決勝に残るのはブラジルとスペイン
3年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■準々決勝第3試合はアルゼンチン-ポルトガル
前回の本連載では7月4日に行われる準々決勝の第1日の2試合を展望したが、今回は7月5日に行われる2試合、そして準決勝以降の展開を予想してみよう。
準々決勝の第3試合は、グループFの首位とグループEの2位の勝者がグループHの首位とグループGの2位の勝者と13時からブラジリアで対戦する。グループFの首位はアルゼンチンである可能性が高い。グループEの2位はポット1のスイスが濃厚であるが、一蹴するであろう。
アルゼンチンと準々決勝で対戦するチームであるが、グループHはロシアが決勝トーナメント1回戦に向けて移動距離の少ない2位を狙うことからベルギーが首位に押し出される形になるであろう。そしてベルギーもグループGの2位もともに中3日という厳しい条件で対戦する。この時、グループGの2位にポルトガルあるいはかつてのドイツを思わせる魂の米国が入れば、ベルギーの優位は崩れる。アルゼンチンと対戦するのはポルトガル、リオネル・メッシとクリスチアーノ・ロナウド、両大陸のスターの激突が首都で展開されるだろう。
■準々決勝第4試合はスペイン-イタリア
準々決勝最後の試合は、サルバドールで17時にキックオフされる。グループBの首位とグループAの2位の勝者とグループDの首位とグループCの2位の勝者の対戦である。この試合は決勝トーナメント1回戦から中5日というインターバルで行われる。またその前のグループリーグ最終戦と決勝トーナメント1回戦のインターバルは中4日または中5日であり、グループリーグから準々決勝までを考えた場合、最も試合間隔のバランスのよいパスである。この準々決勝第4試合に登場すると思われるのは、まずグループBを首位で勝ち抜くと思われるスペインがグループAの2位チームを下してくるであろう。
最激戦区のグループDを首位で通過したイタリアはグループCの2位チームと対戦する。グループCの2位は世界最速で予選突破を果たし、準備期間も十分にある日本も想定されるが、イタリアの優位は動かないであろう。スペイン-イタリアという2012年欧州選手権決勝の再現となるであろう。
これまで予想してきた準々決勝の予想カードを前提にした準決勝の組み合わせは、7月8日の準決勝第1試合(ベロホリゾンテ)はフランス-ロシア戦の勝者と、ブラジル-ウルグアイ戦の勝者の対戦、翌9日の第2試合(サンパウロ)はポルトガル-アルゼンチン戦の勝者とスペイン-イタリア戦の勝者の対戦となる。
■準決勝はフランス-ブラジル、ポルトガル-スペイン
準々決勝第1試合はフランスが優位で、史上6回目の準決勝進出を果たすであろう。また第2試合はブラジル国民にとっては忘れられない1950年大会の苦い思い出の試合となる。ブラジルは1958年大会で初優勝し、1962年大会でも優勝したが、予選、本大会でウルグアイと対戦し勝利するのは1970年大会の準決勝まで待たなくてはならなかった。この因縁の相手に開催国として返り討ちを果たすことを国民いずれもが望んでいるであろう。準決勝でフランスと対戦するのは開催国ブラジルであろう。
準々決勝第3試合は興味深い対戦となる。両大陸を代表するスター選手であるポルトガルのクリスチアーノ・ロナウドとリオネル・メッシのエース対決。ここは欧州予選のプレーオフでズラタン・イブラヒモビッチを上回ったポルトガルが準決勝に進出すると予想したい。そして準々決勝最終戦、2012年の欧州選手権の時ほどスペインとイタリアの差はないが、試合間隔に恵まれたスペインを推したい。
準決勝はフランス-ブラジル、ポルトガル-スペインという顔合わせが予想される。さすがに組み合わせに恵まれたフランスも昨年の6月の惨敗のイメージは残っているであろう。過去15年ほどブラジルはフランスに苦手意識を持っていたが、昨年の勝利でそれを払拭した。そしてイベリア勢対決となったもう1つの準決勝、ポルトガルの予選プレーオフから続いてきた快進撃もここでストップ、スペインが決勝に進出するであろう。
■決勝は開催国ブラジルと前回優勝スペインの争い
そして決勝は開催国ブラジルと前回優勝国スペインの対戦、王国が母国開催で優勝を飾るか、スペインが52年前のブラジル以来の連覇を果たすか、今から楽しみである。(この項、終わり)