第2081回 序盤に強敵と連戦(5) 最大のライバルのオランダとアムステルダムで対戦
平成28年熊本地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。お亡くなりになった方々に、謹んで哀悼の意を表します。 この地震が1日でも早く収まることと、被災地の皆様の安全とご健康をお祈り申し上げます。
■最大のライバルのオランダも初戦引き分け、第2戦大勝
ベラルーシに引き分け、ブルガリアには先制点を許したものの、鮮やかな逆転勝ち、10月10日にはオランダとアウエーで戦うことになった。今年の欧州選手権では予選で敗退し仏上することができなかったが、実力国であり、このグループAではフランスの最大のライバルであることは間違いない。
今秋始まった予選では、第1戦はスウェーデンとアウエーで1-1、フランス同様にアウエーでの引き分けでの発進となった。しかし、第2戦はフランスと引き分けたベラルーシをロッテルダムに迎えて4-1と快勝する。第2戦のスコアはフランスと同じであり、10月に入ってようやく本領を発揮し、フランスにとっては重要な一戦となる。
■過去の戦績は親善試合もタイトルマッチも五分の両チーム
フランスとオランダの過去の対戦成績は24戦して両チームが10勝ずつして4つの引き分けとなり五分の戦績である。ブルガリア戦も対戦前は両チームの勝ち数が同じであり、2試合連続して拮抗した対戦成績の相手となった。
ただし、ブルガリア戦はこれまでにワールドカップ予選の4大会で9戦しているが、オランダとワールドカップ、欧州選手権の予選ではワールドカップの1982年スペイン大会の予選でしか対戦しておらず、この時の戦績は1勝1敗。また、本大会については1996年と2000年、2008年欧州選手権のグループリーグで対戦し、1勝1敗1分の成績を残している。本大会での最新お大戦は2008年のベルンでの戦いである。この時オランダは4-1と大勝を収める。本大会と予選を含めたタイトルマッチではこれが最後の対戦である。
残り20試合は親善試合での対戦となり、親善試合の戦績は8勝8分3敗と互角である。ただし、両チームは今年の3月25日にアムステルダムで親善試合で対戦しており、フランスが3-2で勝利している。
■アムステルダムで負けが続くオランダ
オランダはこれまでアムステルダムで代表の試合を57試合行っているが、負けたのは8試合だけであり、そのうちの4試合はフランス戦を含む直近の4試合である。オランダにとっては首都での試合でこれ以上負け続け、半年強の間に同じ相手に2回負けるわけにはいかない。
2000年の欧州選手権ではオランダとフランスはアムステルダムで対戦したが、オランダがフランスを迎える際にアムステルダムでの試合は少なく、これまでのアムステルダムでの試合は今年3月の親善試合の前は2000年の欧州選手権での対戦を除くと1937年までさかのぼらなくてはならない。オランダは予選のホームゲームはアムステルダムだけではなくロッテルダムでも行うが、フランス戦の開催地にアムステルダムを選んだということから、オランダにとってもフランス戦は重要である。
■負傷のバカリ・サーニャに代わりジブリル・シディベが先発出場
さて、フランスの先発メンバーである。ブルガリア戦から中2日での試合となるが、GKはウーゴ・ロリス、DFは右からジブリル・シディベ、ラファエル・バラン、ローラン・コシエルニー、レイバン・クルザワ、守備的MFは右にポール・ポグバ、左にブレーズ・マツイディ、攻撃的MFは右にムーサ・シッソコ、トップ下にアントワン・グリエズマン、左にディミトリ・パイエ、そして1トップはケビン・ガメイロである。ブルガリア戦と同じ4-2-3-1システムであり、メンバー変更は右サイドDFのみである。
このポジションのバカリ・サーニャが負傷で離脱したため、9月の連戦でも招集したセバスチャン・コルシアを追加招集したが、先発メンバーはブルガリア戦で負傷のサーニャに代わって出場したシディベとなった。シディベは今季リールからモナコに移籍するとともに代表入りし、初戦となるイタリア戦で先発し代表デビュー、ベラルーシ戦でも先発フル出場し、ブルガリア戦ではけがから復帰したサーニャに先発の座を譲ったが、サーニャの負傷でオランダ戦では先発に返り咲いた。左サイドはパトリス・エブラに代わってクルザワが定位置を確保したが、右サイドはシディベがレギュラーの座を奪う可能性は少なくないのである。(続く)