第2190回 シーズン終了後の3連戦(3) 後半戦の初戦となるスウェーデン戦
6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■ラファエル・バランも合流するスウェーデン戦
レンヌでのパラグアイとの親善試合、代表チームとしては17年ぶりとなるオリビエ・ジルーのハットトリックなどで5-0と大勝し、ワールドカップ予選のスウェーデン戦に弾みをつけた。6月3日に行われるチャンピオンズ決勝にレアル・マドリッド(スペイン)のメンバーとして出場するためラファエル・バランは6月2日に行われたパラグアイ戦にはメンバーから外れていたが、このスウェーデン戦からはフル回転する予定である。
■前半戦を終了してグループAで首位のフランス
さて、ここでワールドカップ予選の順位と日程について再確認しよう。欧州地区の予選は6チームずつ9つのグループに分かれ、各チーム10試合を行い、各グループの首位チームが本大会に出場、2位にとどまった場合は成績の良い8チームがプレーオフに出場し、プレーオフで勝利した4チームが本大会へのチケットを得る。これに開催国のロシアを加えて13チームがワールドカップ本大会に出場する。3月までにちょうど半分の5試合を終え、6月に1試合、8月末から9月にかけて2試合、10月中旬に2試合が行われ、予選の順位が確定する。そしてプレーオフが11月に行われ、出場国が出そろう。
この6月の戦いは後半戦の初戦である。この時点でフランスの入ったグループAの順位であるが、首位はフランス、4勝1分の勝ち点13である。2位はスウェーデンで3勝1分1敗の勝ち点10、3位はブルガリアで3勝2敗で勝ち点9、4位はオランダで2勝1分2敗の勝ち点7、5位はベラルーシで2分3敗の勝ち点2、6位がルクセンブルクで1分5敗の勝ち点1である。
■後半戦の初戦は首位攻防戦
したがって、フランスは首位攻防戦となったスウェーデン戦で勝利すれば勝ち点の差を6に広げることができ、予選突破に大きく前進する。逆に敗れてしまうとスウェーデンに勝ち点で並ばれ、得失点差でスウェーデンが首位に立ち、フランスは2位に落ちることとなる。また3位のブルガリアはアウエーで5位のベラルーシ戦、4位のオランダはホームで最下位のルクセンブルク戦であり、それぞれ勝ち点を積み上げるであろう。ブルガリア、オランダともにフランスが敗れれば射程距離に入ってくる。そして、フランスとスウェーデンはすでに前半戦で対戦しており、もう直接対決はないことから、両チームにとってはブルガリア戦、オランダ戦が重要になってくる。
■振るわないテレビ視聴、本大会以外では史上最多の2000人がストックホルムに参戦
さて、フランス代表の任期については不思議な現象がある。まずは、テレビの視聴者数である3月28日に行われたスペイン戦は通常代表戦を中継するTF1でオンエアされたが、視聴者世帯数は600万であり、同時刻に行われたフランス3のキャプテン・マルロの630万世帯よりも少ないという衝撃的な結果となった。通常サッカーの代表戦は最も視聴者の多い番組となり、親善試合とは言え相手はスペインである。にもかかわらずテレビ視聴が振るわなかったことから、6月2日のパラグアイ戦の中継をTF1は見送る。パラグアイ戦はTF1に代わってTMCが放映した。代表の試合をTMCが放映するのは初めてのことであり、パラグアイ戦のアナウンサーと解説者はTF1で通常担当しているコンビが務めることになった。また、TMCはサッカー中継に力を入れており、6月中旬にロシアで開幕するコンフェデレーションズカップでも半数の試合を中継する。
一方、スウェーデン戦はアウエーのストックホルムで行われるが、フランスから駆けつけたファンは2000人に上る。ワールドカップや欧州選手権の本大会であれば国外に応援に行くファンの数はこれよりも多いが、それ以外のこれらの大会の予選や親善試合の国外の試合でこれまでの最高の数字は4年前のワールドカップ予選のプレーオフのキエフでのウクライナ戦の1700人である。今回はその数字を上回る史上最大のアウエーへの異動となったのである。(続く)