第2237回 ベラルーシに勝利し、予選突破(1) 2位以内を確定し最終戦に臨むフランス
6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■単独首位をキープし、2位以内を確定したフランス
この予選でホームで4戦全勝、1932年以来フランス相手にホームで負けていないブルガリアとの一戦をブレーズ・マツイディの得点、ウーゴ・ロリスの好守で1-0と勝利し、試合開始前にスウェーデンに暫定的に譲った首位の座を奪い返して最終戦を迎えることになった。そして、このブルガリア戦の勝利により、フランスは2位以内を確定した。
なお、ブルガリア-フランス戦と同時に行われたベラルーシ-オランダ戦はオランダが3-1と勝利する。
この結果、最終戦を迎える段階でのグループAの順位は首位がフランス(勝ち点20、得失点差+11)、2位スウェーデン(19、+19)、3位オランダ(16、+7)、4位ブルガリア(12、-5)、5位ベラルーシ(5、-14)、6位ルクセンブルク(5、-18)となっている。
最終戦はフランス-ベラルーシ、オランダ-スウェーデン、ルクセンブルク-ブルガリアの3試合が同時にキックオフされる。フランスは、最終戦で引き分け以下でスウェーデンが引き分け以上だと、スウェーデンに首位を奪われ、プレーオフに回ることになる。
■グループAで最も注目を集めているオランダの動向
そしてフランスの本大会出場よりもこのグループAで注目を集めたのは3位にとどまっているオランダである。今予選は第1シードとなったオランダであるが、第2シードのフランス、第3シードのスウェーデンの後塵を拝している。最終戦を迎える段階で2位スウェーデンとは勝ち点3の差である。そして最終戦ではホームにスウェーデンを迎える。8月末にフランスに大敗し、ワールドカップ出場が遠のいたと思われたオランダであるが、最終戦で2位チームとホームで直接対決までたどり着いた。しかし、地元で勝利して勝ち点で追いついても得失点差の戦いとなる。先述の通り、スウェーデンの得失点差は+19、オランダは+7であり、12ポイントの差がある。オランダが6点差で勝利して得失点差で並んでも総得点の比較となり、6-0での勝利の場合はスウェーデンに1得点及ばず、オランダは7点以上の得点をあげて6点差の勝利が必要となる。逆に言えば、スウェーデンは大量失点さえしなければ、2位以内は確保できる。
■2006年大会以来のプレーオフなしでの本大会出場を目指すフランス
すでに2位以内を確保したフランスであるが、ブルガリア戦の勝利によって、最終戦の結果に関係なく、フランスは2位に終わってプレーオフに回る場合は予選終了時点でのFIFAランキングで決定するシード権を得ることになった。
直近の2大会でフランスはいずれもプレーオフを勝ち抜いて本大会に出場している。今回はベラルーシに勝利して、2006年大会以来久しぶりにプレーオフを経由せずに本大会出場を決めたいところである。
■エンゴロ・カンテ離脱、初戦で引き分けたベラルーシを迎える
ブルガリア戦は85年ぶりの敵地での勝利だけではなく、8月31日のオランダ戦(4-0)、9月3日のルクセンブルク戦(0-0)に次いで3試合連続で無失点となった。フランスの3試合連続無失点は3年ぶりのことである。勝ち点3を獲得したが、前半にジブリル・シディベとエンゴロ・カンテが負傷した。カンテは前半途中で交代し、ブルガリア戦には出場できず、戦線から離脱した。一方、シディベはブルガリア戦の出場は可能である。デシャン監督はカンテの追加招集はせずに、ベラルーシ戦に臨むこととなった。
すでにベラルーシは本大会出場の望みを絶たれている最終戦ということもあるが、油断してはならない。フランスがワールドカップ予選、欧州選手権予選で最後に予選落ちを経験したのは1994年ワールドカップ米国大会予選である。この時もまさか負けるとは思わなかったイスラエルにホームで敗れたことが最後のブルガリア戦につながっている。そして昨年9月6日、ロシアへと続く道をフランスはベラルーシのボリソフで第一歩を踏み出したが、スコアレスドローに終わっている。
通算最多勝を記録したディディエ・デシャン監督は2006年大会以来のグループ首位による予選突破を決めることができるであろうか。(続く)