第2274回 2018年ワールドカップ展望 (4) 組み合わせ決定
7年前の東日本大震災、一昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■FIFAランキングで決められるシード分け
これまで3回の連載で出場32か国を紹介してきたが、いよいよ組み合わせ抽選を受けて大会を展望してみよう。
組み合わせ抽選会は12月1日に行われた。今回の組み合わせ抽選での大きな変更点はFIFAランキング中心のシード分けになったということである。従来大会の場合、第1シードはFIFAランキングあるいは過去の大会の実績をポイント化し、実力上位チームをリストアップし、第2シード以下は地域を考慮し、欧州以外は同一地域のチームが対戦しないようにしていた。
今大会は第2シード以下もFIFAランキングで振り分け、第1シードから順に組み分けを行い、欧州からは同一グループに2チームまで、欧州以外は同一地区のチームが同じグループに入らないようにするという手続きが行われることになった。
■2006年大会以来第1シード入りしたフランス、東欧勢久しぶりのポーランド
第1シードは開催国のロシア以下、10月時点のFIFAランキング順にドイツ、ブラジル、ポルトガル、アルゼンチン、ベルギー、ポーランド、フランスとなった。前回大会から連続して第1シードしたのはドイツ、ブラジル、アルゼンチン、ベルギーの4か国だけで半数が入れ替わった。フランスはぎりぎりで第1シードに滑り込んだ。フランスが第1シードに入ったのは準優勝した2006年大会以来のことである。
また、東欧のポーランドも第1シード入りしたが、ポーランド自身が第1シード入りするのは1986年大会以来実に32年ぶりのこととなる。この時は前回大会の1982年大会で3位になったことから第1シード入りしている。そして東欧圏のチームが第1シードとなるのも1998年大会のルーマニア以来のこととなる。
■第3シード以下を占めるアフリカ、アジア勢
第2シードはスペイン、ペルー、スイス、イングランド、コロンビア、メキシコ、ウルグアイ、クロアチア、第3シードはデンマーク、アイスランド、コスタリカ、スウェーデン、チュニジア、エジプト、セネガル、イラン、第4シードはセルビア、ナイジェリア、豪州、日本、モロッコ、パナマ、韓国、サウジアラビアとなる。
欧州14か国は第1シード6チーム、第2シード4チーム、第3シード3チーム、第4シード1チームという分布となった。南米5か国は第1シード2チーム、第2シード3チームとなり、この両地区からの出場国が上位シードを占めている。第2シード以上で両地区以外から入っているのは第2シードに入った北中米カリブ海のメキシコだけである。そして前回の本連載で紹介したアフリカ、アジアの出場国は第3シードと第4シードを占めている。まだまだ地区間のレベルの差は大きいことがよくわかる。
■フランスはグループC、ペルー、デンマーク、豪州と対戦
さて、開催国ロシアのグループAには第2シードからウルグアイ、第3シードからエジプト、第4シードからサウジアラビアが入った。グループBは第1シードのポルトガル、第2シードのスペイン、第3シードのイラン、第4シードのモロッコとなる。フランスはグループCになり、第2シードのペルー、第3シードのデンマーク、第4シードの豪州と戦う。グループDは第1シードのアルゼンチン、第2シードのクロアチア、第3シードのアイスランド、第4シードのナイジェリアというメンバーである。南米予選で強さを見せたブラジルはグループE、第2シードのスイス、第3シードのコスタリカ、第4シードのセルビアと戦う。前回優勝で、今大会予選でも圧勝続きのドイツは第2シードのメキシコ、第3シードのスウェーデン、第4シードの韓国が相手である。グループGは第1シードのベルギー、第2シードのイングランド、第3シードのチュニジア、第4シードのパナマという顔ぶれである。そしてグループHは第1シードのポーランド、第2シードのコロンビア、第3シードのセネガル、第4シードの日本というメンバーになったのである。(続く)