第2345回 親善試合3戦無敗で本大会へ(4) 入れ替え選手が見事に活躍し、イタリアにも勝利

 7年前の東日本大震災、一昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■アイルランド戦と7人を入れ替えたイタリア戦の先発メンバー

 ニースのアリアンツリビエラ競技場で行われたフランスとイタリアの親善試合、フランスの先発メンバーであるが、GKはウーゴ・ロリス、DFは右からバンジャマン・パバール、アディル・ラミ、サミュエル・ウムティティ、ルカ・エルナンデス、MFは中央の低い位置にエンゴロ・カンテ、右にコランタン・トリッソ、左にポール・ポグバ、FWは中央にアントワン・グリエズマン、右にキリアン・ムバッペ、左にウスマン・ダンベレという布陣となった。
 ディディエ・デシャン監督はアイルランド戦に続き、代表経験の少ない選手を起用し、代表出場歴が10試合以下はパバール、エルナンデス、トリッソ、ダンベレの4人、人数的にはアイルランド戦と同数である。また、アイルランド戦に続いて先発メンバーとなったのはラミ、ウムティティ、トリッソ、ムバッペの4人である。ストッパーの2人が連続出場となったのは本来ならば指定席を確保していたローラン・コシエルニーが負傷のためにメンバーに入らなかったことが影響している。またトリッソについてはコンビネーションを進化させる狙い、そしてムバッペについては左サイドのダンバレと俊足コンビを組み、中央のグリエズマンをやや下がり目にポジションさせるというフォーメーションを試している。

■経験の少ない選手を支える主将のレオナルド・ボヌッチ

 イタリアは、ワールドカップで上位進出を目指すアジアの強豪のサウジアラビアを中立地のスイスで破り、ロベルト・マンチーニ監督は白星で発進する。
 イタリアもアイルランド同様に新しいメンバーを多数起用している。初代表の3人を含み、代表出場歴が10試合以下の選手は7人になる。
 一方でチームを支えるのがユベントスで活躍し、現在はACミランで活躍している31歳のレオナルド・ボヌッチである。これまでの代表出場は78試合、この日出場したイタリアの選手の中で最多であり、フランスを含めてもそれ以上の代表経験があるのは96試合のロリスだけである。また、イタリアの中で2番目に代表歴があるのは復帰したばかりのマリオ・バロテッリである。イタリアのファンの中にはサウジアラビア戦での活躍を受けて所属しているニースからは主将を任せたらどうかという声も上がったほどであった。またGKのサルバトーレ・シリグはかつてパリサンジェルマンに所属した選手である。

■久しぶりに前売り完売となったフランス代表戦

 3万4500枚のチケットが売り出されたが、代表の試合としては久しぶりに前売りで完売となった。この中には公式に500枚がイタリア協会に渡されたが、多くのイタリアのファンが国境を越えてこの試合を観戦しようとフランスで販売されたチケットにも手を伸ばした。

■入れ替えたメンバーの活躍でゴールを重ねる

 試合は南仏の初夏らしい、暑い中でキックオフされた。ワールドカップ予選落ちし、メンバーを大幅に入れ替えたとはいえイタリア、過去の対戦成績もフランスに勝ち越しており、フランスは優位に試合を進めるもののアイルランドよりは手ごたえのある相手である。先制点の欲しい相手であるが、アイルランド戦と選手を入れ替えた両サイドのDFが活躍した。8分は右サイドのパバールがクロスをあげて、ファーサイドのムバッペがボレーシュート、これをシリグがはじいたところをウムティティが押し込む。2点目は左サイドのエルナンデスがドリブルで攻め上がり、ペナルティエリア内に突進した22分、イタリアの新人DFに倒され、PKを得る。これをグリエズマンが決めて追加点となる。
 イタリアも地元のヒーローのバロテッリが36分にFKを蹴り、ロリスが防ぐが、こぼれところをボヌッチが決めて1点差に詰め寄る。
 後半に入って63分、ムバッペが中盤でボールを奪取し、カウンター攻撃を仕掛ける。ダンベレにつないで、イタリアを突き放す得点を決めた。ダンベレは昨年6月のイングランド戦以来の代表でのゴールとなった。
 このように入れ替えたメンバーがその期待に応え、フランスは欧州予選で敗退した実力国に連勝したのである。(続く)

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