第2352回 デンマークとスコアレスドローで首位突破(1) ワールドカップ、欧州選手権のグループリーグで過去5回対戦
7年前の東日本大震災、一昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■決勝トーナメント進出の可能性のあるデンマークと豪州
ワールドカップ初戦は豪州に勝利はしたものの硬さが見られたフランス、第2戦のペルー戦ではスコアこそ1-0であったが、ベテランがチームを引き締め、19歳の背番号10、キリアン・ムバッペの輝きが印象的な試合となった。そして何よりも重要なことは、第2戦を終えた時点で決勝トーナメント進出を決めたことである。
ここで第2戦終了時の順位を見てみよう。首位はフランスで勝ち点6、得失点差+2、2位のデンマークは勝ち点4、得失点差+1、3位は豪州で勝ち点1、得失点差-1、4位のペルーは2試合とも0-1で敗れて勝ち点0、一次リーグでの敗退が決まった。第3戦はフランス-デンマーク戦がモスクワのルジニキ競技場、豪州-ペルー戦がソチで行われた。
決勝トーナメント進出の残る1枚のチケットについて言うならば、デンマークは引き分け以上であれば一次リーグ突破となる。また、デンマークはフランスに敗れた場合でも、豪州がペルーに勝利した場合のみ、デンマークと豪州は勝ち点で並び、2位争いは得失点差の争いとなる。
■首位突破の可能性があるのはフランスとデンマーク
一方、グループの首位であるがフランスがデンマークに引き分け以上の場合は首位となり、デンマークがフランスに勝利すると首位となる。グループCの勝ち上がりチームはグループDの勝ち上がりチームと対戦するが、当初有力と言われていたアルゼンチンが大苦戦、クロアチアが連勝して首位に立っているが、第3戦はグループCの試合の後にキックオフされるため、相手を選ぶことができない。ただし、クロアチアは首位を確保する勢いであり、アルゼンチンよりは避けておきたい難敵であり、デンマークは引き分けではなく、勝利を目指したいところであり、フランスもデンマークに負けるわけにはいかない。そして下位勢同士で対戦する豪州もペルーも最終戦で意地を見せたいところである。
このように一次リーグの最終戦を迎えるにあたり、四者四様のモチベーションがあるがその中でも決勝トーナメント進出がかかるデンマークの意気込みは並々ならぬものであり、そのデンマークと対戦するのがフランスである。
■1998年と2002年のワールドカップの一次リーグ最終戦で対戦
さて、歴史とは不思議なもので、わずか20年の間にフランスとデンマークはワールドカップ欧州選手権の一次リーグで5回も対戦している。ワールドカップでは1998年大会と2002年大会、欧州選手権では1984年大会、1992年大会、2000年大会という具合である。そしてさらに不思議なことにこれまでのワールドカップでの対戦も一次リーグの第3戦である。ところが、この2回の対戦は対照的である。記憶に新しい所では2002年大会、当時は前回優勝チームが出場していた開幕戦でフランスはセネガルに敗れ、第2戦のウルグアイ戦もスコアレスドローで1分1敗、一方のデンマークは1勝1敗で最終戦を迎える。フランスはデンマークに2点差をつけて勝利すれば決勝トーナメント進出という状況であったが、スコアは逆で0-2でフランスは一次リーグで敗退してしまう。
一方、その4年前の1998年大会は異なるストーリーであった。フランスは南アフリカとサウジアラビアに連勝し、決勝トーナメント進出を決めており、一方のデンマークは1勝1分で最終戦を迎えるという今回と同じ状況であった。フランスはデンマーク相手に2-1と勝利し、3連勝で決勝トーナメントに進み、優勝を果たす。他方、1勝1分1敗となったデンマークも決勝トーナメント進出、1回戦でナイジェリアを破り、準々決勝ではこの大会で準優勝するブラジルに2-3と競り負ける。
■欧州選手権でも3回対戦、5回中4回は勝者が優勝
また欧州選手権では3回の対戦のうち2回が第1戦でいずれもフランスが勝利している。そして1984年大会も2000年大会も優勝を果たしている。逆に第3戦で対戦した1992年大会、フランス2分、デンマーク1分1敗で迎え、デンマークが2-1と勝利し、優勝している。
過去の主要大会での対戦成績はフランスの3勝2敗であるが、実にそのうち4回は勝利したチームが優勝しているのである。(続く)