第2814回 2022年ワールドカップ予選開幕(4) 初戦のウクライナ戦はドロー

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■今年最初の試合はウクライナ戦

 フランスにとって今年初めての試合はワールドカップ予選の初戦、そして最大のライバルと目されるウクライナをスタッド・ド・フランスに迎える。代表チームにとっては昨年11月以来の試合となる。フランスは比較的、年の最初の試合の成績は良い。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大で9月まで試合がなかったが、それまでは3月に最初の試合を迎え、2018年にコロンビアに敗れた以外は近年は勝利している。
 フランス代表の今回の26人のメンバーに新人はいないが、今年初めての試合がいきなりの大一番となり、ディディエ・デシャン監督がどのようなメンバーを選んでくるか、誰しもが関心を持つところである。

■伝統の4-2-3-1システムでベストメンバーをそろえたフランス

 3月24日、無人のスタッド・ド・フランスで試合に臨む11人の先発メンバー、デシャン監督はベストメンバーを伝統の4-2-3-1システムで送り出す。GKはウーゴ・ロリス、DFは右からバンジャマン・パバール、ラファエル・バラン、プレスネル・キンペンベ、ルカ・エルナンデス、DFは低い位置にエンゴロ・カンテとアドリアン・ラビオ、攻撃的なMFは右にキングスレー・コマン、アントワン・グリエズマン、左にキリアン・ムバッペ、FWは1トップでオリビエ・ジルーである。ポール・ポグバの出場が予想されたが、守備的なMFはカンテとラビオに落ち着いた。

■タイ記録となった44試合連続出場のアントワン・グリエズマンが先制点

 この試合の最初のシュートは3分にウクライナが放つ。一方のフランスも11分に最初の得点機を迎えたが、ゴールはならないものの、試合を次第に支配する。フランスは右サイドのパバールを起点とする攻撃が中心、対するアウエーの黄色いユニフォームのウクライナはカウンターアタックに活路を見出そうとする。
 優勢に試合を進めたフランスは19分にグリエズマンが均衡を破る。相手のクリアボールを拾った右足で強烈なシュートを放ち、先制点を決める。グリエズマンはこの日が代表戦に44試合連続で出場、パトリック・ビエイラが1999年から2002年にかけて作った記録に並び、記念すべき試合で得点をあげた。ウクライナは5バックで引き気味の陣形であったが、グリエズマンの個人技がウクライナの組織的な守備を破る形となった。またグリエズマンはこの日が代表戦に44試合連続で出場、パトリック・ビエイラが1999年から2002年にかけて作った記録に並び、記念すべき試合で得点を決めた。その後もフランスはムバッペやジルーが惜しいシーンを重ねるが、前半は1-0でフランスリードで折り返した。

■オウンゴールで追いつかれ、引き分けに終わった初戦

 これまでのこのカードは前半は比較的スコアが入らないことが多かったが、グリエズマンの先制点でウクライナも後半は積極的に攻撃せざるを得なくなった。しかし、陣地的にはフランスが優勢、その中でウクライナはカウンターアタックを仕掛ける。そして、57分、フランスゴール前の空中戦、いったんはクリアしたものの、ウクライナがボールを拾ってクロス、これをキンペンベが味方のゴールに入れてしまい、フランスはオウンゴールで追いつかれてしまった。これまでのフランスは堅守を誇り、1点を守り抜くケースが多かったが、デシャン監督はここから勝ち越し点を奪うために次々と選手交代に踏み切った。
 追いつかれた5分後には、ジルーに代えてポグバ、コマンに代えてウスマン・ダンベレを投入、攻撃陣のフォーメーションを変更する。さらに体調面で不安のあるムバッペも終盤にはベンチに下げて、アントニー・マルシャルを攻撃に参画させる。
 そして残り10分となってからはフランスの攻勢はさらに強くなる。グリエズマン、キンペンベ、ラビオなどが果敢にシュートを放ち、4分のアディショナルタイムが与えられたが、フランスは勝ち越し点を奪うことができなかった。
 結局、ホームでの試合は1-1の引き分け、フランスは勝ち点1を奪うにとどまり、第2戦のカザフスタンとのアウエーの試合のために移動するのである。(続く)

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