第2815回 2022年ワールドカップ予選開幕(5) 初対戦のカザフスタンに快勝
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■フランスにとって85番目の対戦国となるカザフスタン
ワールドカップ予選初戦となったホームでのウクライナ戦、フランスは先制点を奪うが、1-1の引き分けに終わった。
今回の予選は3月下旬に3試合行う。フランスは3月24日にホームでウクライナと戦った後、28日にアウエーでカザフスタン、31日もアウエーでボスニア・ヘルツェゴビナと対戦する。3月の残り2試合はいずれも勝利したいところである。
ウクライナ戦の翌日はクレールフォンテーヌで練習、カザフスタン戦はウクライナ戦とはメンバーを大幅に入れ替えることが予想されること、そして新型コロナウイルスのチーム内での感染を防ぐために2つのグループに分けて練習を行った。またエンゴロ・カンテは前日のウクライナ戦で負傷したため、チームを離脱した。
フランス代表は試合の前々日の29日に6時間のフライトでカザフスタン入りした。フランスはカザフスタンとは初めての対戦となる。カザフスタンはフランスにとって85番目の対戦国となった。カザフスタンは世界ランキング122位、2位のフランスとの力の差は明白である。
■ウクライナ戦とは先発を9人入れ替えたフランス
フランスはウクライナ戦とは先発メンバーを大幅に入れ替える。カザフスタンの首都アスタナのアスタナアリーナ、青いユニフォームで人工芝のピッチの上に立ったのはGKウーゴ・ロリス、DFは右からレオ・デュボワ、クルト・ズーマ、クレモン・ラングレ、ルカ・ディーニュ、MFは低い位置にポール・ポグバとタンギ・エンドンベレ、攻撃的MFは右からウスマン・ダンベレ、アントワン・グリエズマン、トマ・ルマール、FWは1トップでアントニー・マルシャルである。
主将のロリス、この試合が45試合連続出場の新記録となるグリエズマン、この2人以外の9人のメンバーが入れ替わった。3月の3試合のうち、主力はウクライナ戦とボスニア・ヘルツェゴビナ戦に起用し、谷間のカザフスタン戦は主力以外でも勝ち点3を取れると考えてのメンバー起用である。ただ、このバックス4人は昨年11月のフィンランドとの親善試合と同じメンバーである。その時も主力はその直後に控えていたヨーロッパリーグのポルトガル戦、スウェーデン戦に起用し、フィンランド戦は控えメンバー中心で臨んだ。フィンランド戦は若手中心でマーカス・テュラム、ルーベン・アギラーが代表にデビューしたが、代表デビュー戦は0-2で敗れ、フィンランドに初めて勝利を与えてしまった。今回のカザフスタン戦は昨秋のフィンランド戦のような失態は避けなくてはならない。しかも今回は親善試合ではなくワールドカップ予選である。
一方、これらの選手にとってはここでよいパフォーマンスを残せば、6月の欧州選手権、そして9月のUEFAネーションズリーグのファイナルズでの出場に大きく前進する。
■ボール支配、陣地獲得でも優位に試合を進めたフランス
試合はフランスが優位に進め、20分にポグバからのクロスをマルシャルがヘディングで合わせる。このボールがこぼれたところをダンベレが右足でシュート、2年ぶりに代表での得点を決めたダンベレは代表23試合目にして3ゴール目である。フランスはボールも陣地も一方的に支配するが、このダンベレのゴールが初めての枠内シュートであった。43分にはマルシャルが決定機をつかんだが、ゴールならず。そしてその後もフランスはカザフスタンのゴール前で試合を進め、カザフスタンのセルゲイ・マリーがポグバと競り合い、マリーはヘディングでボールを味方のゴールに入れてしまう。フランスはオウンゴールで2-0とスコアを広げて前半を折り返した。
■アウエーの試合で7連勝を飾ったフランス
後半もフランスが一方的に攻めるが、カザフスタンのGKアレクサンドル・モキンの好セーブ、さらには75分には途中から交代出場したキリアン・ムバッペがペナルティエリア内で倒され、自らがPKを蹴ったが、モキンがコースを読み切り、CKに逃げられる。フランスはその後の攻撃も得点にはつながらなかったが、2-0で勝利、アウエーでの試合を7連勝とした。
この予選で初勝利をあげたフランスはボスニア・ヘルツェゴビナとの試合に向かうのである。(続く)