第2918回 フィンランドに勝利、有終の美を飾る(3) プレーオフ出場のかかるフィンランドを下す

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■カザフスタン戦に出場した8人が先発するフランス

 フランスにホームで勝利すればプレーオフ出場となるフィンランド、このような状況で予選最終戦を戦うことができることは来年のワールドカップで連覇を狙うフランスにとっても悪いことではない。真剣勝負の場を選手が経験できることは選手、スタッフのさらなる成長につながる。
 11月16日20時45分にヘルシンキのオリンピックスタジアムで行われた試合、フィンランドが上から下まで白のユニフォーム、一方のフランスは上から下まで青のユニフォームである。フランスの先発メンバーはGKはウーゴ・ロリス、DFは右からジュール・クンデ、クルト・ズーマ、ダヨ・ウパメカノ、MFは5人で低い位置に4人並び、右からレオ・デュボワ、オーレリアン・チュアメニ、アドリアン・ラビオ、ルカ・ディーニュ、トップ下にはアントワン・グリエズマン、FWは2トップで右にムーサ・ディアビ、左にキリアン・ムバッペである。3日前のパルク・デ・プランスでの試合に出場したのはこのうち8人であり、ズーマ、デュボワ、ディーニュの3人が11月の試合で初登場となる。

■東京で代表にデビューしたエースのテーム・プッキ

 一方のフィンランドはGKはルーカス・フラデツキー、DFは5人で右からイェレ・ウロネン、レオ・バイサネン、ロベルト・イバノフ、ダニエル・オシャーネシー、ニコラス・ハマライネン、MFは3人で右からグレン・カマラ、ラスムス・シュレル、ウルホ・ニッシラ、FWは2人で右にテーム・プッキ、左にロビン・ロドという陣容で9月に代表にデビューしたニッシラ以外の10人は欧州選手権に出場している。また、プッキは今予選で6得点をあげ、グリエズマンと並んでグループDの得点ランキングトップである。また、プッキは2009年2月に東京で代表にデビューしたことから、日本の読者の皆様はよくご存じであろう。

■前半を終えた時点で2試合とも無得点

 この試合、最初に枠内にシュートを放ったのは5分のディアビ、フランスの先発メンバーで唯一今年の欧州選手権後に代表にデビュー、来年のワールドカップ本大会へのデモンストレーションである。しかし、このシュートはフィンランドのGKにキャッチされる。その後もフランスはボールを支配し続けるが、5人のディフェンスでゴール前を固めるフィンランドから得点をあげることができず、前半を終える。フランスは昨年11月にフィンランドに0-2と敗れて以降は、すべての試合で得点をあげている。ディディエ・デシャン監督は後半に入って早い時間帯にカリム・ベンゼマ、キングスレー・コマンを投入する。
 フィンランドにとっては目の前のフランスに勝利するだけではなく、引き分けた場合は、同時刻に試合をしているウクライナがボスニア・ヘルツェゴビナで引き分け以下の場合もプレーオフ、負けた場合もウクライナが負ければプレーオフとなる。前半を終えた時点で、ボスニア・ヘルツェゴビナ-ウクライナ戦も0-0と無得点である。このままのスコアが続けばフィンランドはプレーオフに進出となる。

■カリム・ベンゼマ、キリアン・ムバッペが後半に得点、ウクライナも勝利

 ところがウクライナは59分に先制点を奪う。これに触発されたのか、66分にフランスはベンゼマがムバッペからのヒールキックを受けて右足でシュート、これが先制ゴールとなる。ベンゼマは今予選の途中から代表に復帰、5試合で3得点というハイペースで得点を量産している。ウクライナがリードしている状況においてフィンランドにとっては重い1点となってしまった。このベンゼマの得点の直後にマテオ・ゲンドウジが交代出場し、ようやく代表にデビューする。
 さらにフランスは76分にもムバッペが左サイドを駆け上がって相手のDFを振り切り、ファーポストへシュートを決める。
 フランスは2-0と勝利した。フィンランドのファンにとって気になるボスニア・ヘルツェゴビナ-ウクライナ戦は、追加点を奪ったウクライナが2-0と勝利した。
 この結果、フランスは5勝3分と無敗で本大会に臨み、2位のウクライナはプレーオフに出場するのである。(この項、終わり)

このページのTOPへ