コンフェデレーションズカップ2001(2) 日本対戦国コラム ~カメルーン~
フランス・サッカーの香り漂う選手達が集結する
さて、開催国や前回優勝国を除いて世界で最も2002年に近いカメルーン代表を紹介しよう。
シドニー五輪で優勝監督となったジャン・ポール・アコノがフランス人のピエール・ルシャントルに代わって代表監督となったが、アンゴラ戦の敗戦の責任をとって辞任し、監督を退いて技術顧問を務めていたルシャントルが再び代表チームの指揮を執ることになった。
多くの選手が欧州のビッグクラブに所属し、今季の欧州チャンピオンズリーグでもジェレミー・ヌジタップ(レアル・マドリー)、ローラン・エタメ(アーセナル)、ジャック・ソンゴ(デポルティーボ)、ジェリー・クリスチャン・チュイス(スパルターク・モスクワ)などが活躍している。チュイスはカメルーンの国籍に加え、ロシアの国籍も取得しているが、4月末にカメルーン代表のユニフォームを選択した。
注目すべきは、カメルーンが今回コンフェデレーションズカップで訪日するチームのうちで最もフランスらしいチームではないかということである。フランス代表はほとんどの選手が国外のクラブに所属しているが、逆にカメルーン代表は多くの選手がフランスのクラブに現在あるいは過去に所属している。
5月26日のフランスカップの決勝に残ったストラスブールのピエール・エンジャンカ、ジョセフ・シリーユ・エンドのコンビはエントリーが危ぶまれるが、フランスリーグは5月19日に閉幕するため、ほかのフランスのクラブに所属する選手は勢ぞろいする見込みである。
リーグカップを初制覇したリヨンのマルク・ビビアン・フォエ、スダンのピウス・エンディエフィとモデスト・エムバミ、1部リーグ復帰を決めたモンペリエのビル・チャット、ナンシーのミッシェル・パンセ・ビロンに加え、昨年フランスリーグとシドニー五輪の日程が重なりリーグを優先させたサンテエチエンヌのルシアン・メトモ、ナント(5月12日に今季のフランスリーグ優勝を決めた)のサロモン・オランベもイタリア勢・スペイン勢とは逆にコンフェデレーションズカップには出場の見込みである。
そして2部リーグのルアーブルのアマチュアチームに所属していたためシドニー五輪への出場が認められ、大活躍したGKのカルロス・イドリス・カメニも忘れてはならない。
また、過去にフランスリーグに所属した選手として代表的なのは日本のガンバ大阪で活躍し、サッカー界のランディ・バースと日本では恐れられたパトリック・エムボマである。エムボマはパリサンジェルマン、シャトールー、メッスに所属し、現在はイタリアのパルマでプレーしている。そのほかにフランス生まれで現在ミドルスブラに所属するジョセフ・デジール・ジョブもリヨン、ランスで活躍した。また、代表チームの主将のリゴベール・ソンはかつてメッスに所属し、昨年末に元フランス代表監督のジェラール・ウリエ率いるリバプールからウェストハム・ユナイテッドに移籍している。
これらのフランス・サッカーの香りのする「不屈のライオン」たちのコンフェデレーションズカップでの活躍が楽しみである。