伝説を築く「ブルー」の真価(6) ~フランス、無冠の帝王ポルトガルと対戦~後編

「無冠の帝王」VS「グラン・ブルー」

 4月25日に対戦する両国のメンバーがこのほど発表された。
 ポルトガルの19人の選手の中にはフィーゴ、フェルナンド・コートなどのベテラン勢はもちろん、昨年の欧州選手権で処分を受けたザビエル、ヌーノ・ゴメスも加わっている。ポルトガル代表の過半数の12人はベンフィカ、ポルトなどの国内リーグからの選出であるが、フランスリーグからもモナコのMFダ・コスタ、ボルドーのFWパウレタの2人が選出されている。(ジョアン・ピントとルイ・コスタも選出されたが、負傷のために離脱した)
 ひのき舞台でのフル代表の成績もさることながら、1980年代後半以降の若年層の成績も目を見張るべきものがある。ワールドユース(U-20)では89年大会と91年大会で連覇、U-18欧州選手権では61年、94年、99年、U-16欧州選手権でも89年、95年、96年とそれぞれ3回の優勝を誇る。
 また、登録選手の3分の1は代表出場歴がなく、ベンフィカのMFのエジミウソン(19歳)など、ビッグクラブに所属している若手選手が加わり、若い人材の芽生えが感じられる。2002年には、450年前に上陸して以来さまざまな文化を伝来させた日本の地で、“無冠の帝王”という呼称を返上しようとしている。

 一方、フランスの18人のメンバーの所属リーグはイングランド7人、イタリア4人、ドイツ3人、スペイン2人、フランス2人となり、ベストメンバーでの試合はこれを逃すと夏まで待たなくてはならない。
 18人のメンバーに新顔は見当たらないが、スペイン戦ショックを払しょくするためのカンフル剤が昨年9月2日のイングランド戦以来、8カ月ぶりの代表復帰となるユーリ・ジョルカエフである。96年1月24日にパリのパルク・デ・プランスで行われたポルトガル戦で当時パリサンジェルマンに所属していたジョルカエフは2得点を挙げ、パリジャンたちを熱狂させた。その活躍を再び見せてもらいたいものである。(次回に続く)

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