連覇を狙うフランス・サッカー EURO2001 女子欧州選手権(後編)
完敗、惜敗、完勝、そしてグループリーグの結果は……
EURO2001は8カ国が参加し、6月23日のグループAの優勝候補同士のドイツ対スウェーデン戦という好カードで始まった。期待の高まるフランスはグループBでノルウェー、デンマーク、イタリアの順に対戦する。しかし、予選6試合で25得点1失点という優勝候補のノルウェーはフランスと格が違った。前半に早々とフランスは3失点した。デニス・ベルカンプ(男子サッカー選手、元オランダ代表 アーセナル所属)同様に飛行機嫌いのため、自動車で駆けつけたマリネット・ピションも、フランス・リーグの得点王(31得点)かつ代表最多得点(47試合で30得点)という実績を持っているにもかかわらず完封された。後半は試合内容を持ち直したものの、結局7回目の対戦でもノルウェーに勝ち星を挙げることはできなかった。
第2戦の相手は、フランス同様初戦を落としているデンマーク。14分、19分にゴールを許すが、21分にピションがチームの初ゴールを挙げて反撃開始。27分にはステファニー・ムニェレ・ベッグが同点ゴールをたたき込む。後半に入り70分に3点目を奪われるが、83分にガエル・ブルーアンが同点に追い付く。しかしながら試合終了直前の90分に決勝点を決められ、4分間のロスタイムの反撃も実らず、結局3-4で惜敗する。初戦で勝ったノルウェーとイタリアが引き分けとなり、フランスの予選敗退が決定した。最終戦では37分にピションがようやく先制点を挙げ、さらに74分にPKで追加点を入れてイタリアに2-0と勝ったが、グループリーグで最下位と不本意な結果に終わった。
傷心のチームに贈られたメッセージ
期待を集めていただけに、自らも女子の代表選手の経 験があるエリザベット・ロワゼル以下チームのショックは隠しきれなかったが、第2戦では0-2とリードされながら同点に持ち込み、3点目を取られても再び追いついた点や、第3戦の試合内容などには収穫もあった。しかし、今大会に出場した8カ国で1999年のワールドカップに出場した経験がないのは、グループリーグで最下位になったイングランドとフランスだけであり、国際的な大舞台での経験不足が今回のグループリーグ敗退につながっているのであろう。
第2戦に惜敗し、グループリーグ敗退となった傷心のチームに、フランス・サッカー協会のクロード・シモーネ会長は次のようなメッセージを贈っている。「1994年のワールドカップ予選での敗退の経験が、現在のフランス男子サッカーの栄光の基礎となっている」
次の目標は今秋に始まる2003年ワールドカップ・中国大会の予選である。欧州地区は5つのチームが中国への切符を手に入れることができ、予選は4つのグループに分けられている。フランスは今大会で苦汁を飲まされたノルウェー、ウクライナ、チェコと同じグループ1で戦うことになり、グループ首位になれば本大会出場となる。グループ2位の場合は、ほかの3グループの2位チームとプレーオフを行い、欧州で最後となる5番目の切符を争うことになるのである。(この項、了)